歯型彫刻の仕方

今回は歯科衛生士の専門学校や大学でも必ず行う実習の一つ歯型彫刻のやり方について教えたいと思います^^

 

教えるといっても、私も歯型彫刻のマスターではないので、先生の合格がもらえる程度のレベルで教えますね^^;

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歯型彫刻とは

そもそも歯型彫刻とは、本物の歯と同じサイズ、もしくは2倍大のサイズの歯を、石膏の棒をナイフで掘って切り出すことです。

何のためにするのか

歯は一本一本形が違い、それぞれに特徴があります。

この実習をする前に、それぞれの歯の特徴について勉強しスケッチをして学習しますが、それだけでは理解は不十分です^^;

なので、「実際に歯を作ってみて、より理解を深めよう!」というのがこの実習の目的ですね^^


 

難易度は?

人それぞれの得意不得意で難易度は大きく変わりますが、美術や図工が得意だった私からすると、、、

難易度★★★★☆でした、、

もちろん掘るのが簡単な歯もありますが、特に初めの頃は直方体からどう切り出していいのか分かりませんでした^^;

しかし、結構うまい子も数人いて、人それぞれです。

所要時間は?

これも人それぞれですが、私は初めの頃一本の歯に5時間弱くらいかかっていました泣

しかし、最後の頃は一本3時間で掘れました!ちなみに最初は中切歯から初めて、最後の実習では大臼歯です。

ちなみに、ほとんどの子は実習中に堀り終えられないので家に持って帰って家で掘ります泣

 

歯型彫刻手順

それでは手順を追って紹介していきます^^

準備物

・方眼紙

・鉛筆

・石膏棒

・歯の1倍大模型

・歯の2倍大模型

・ノギス

・作業布

・切り出しナイフ

・エンバス

 

こちらは私が実際に使用している道具です。

まずは歯の2倍大模型を見本に使います。

グレーの布の上で石膏棒を掘ります。作業中はたくさんの削りカスが出るので、布の上で掘るとそれをまとめて捨てやすいんです^^

新聞紙でも十分大丈夫ですが、下にダンボールなどを引いた方が、机がナイフによって傷つきにくく良いですね〇

そして刃物は切り出しナイフと言い、キャップがついていて左利き用の物もちゃんとあります。注意としては、石膏棒を掘った後何もせずに蓋をしてしまうと次使う時にサビが広がってしまうので、毎回洗って水けを取ってからキャップをしましょう

最後に金属の細い棒があります。これはエンバスと言って、画像2枚目と3枚目を見ればわかるように先端が小さなナイフと耳かきのようになっています。これは微調整や歯頸線、咬合面を作る時に主に使用します。

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大きさを測りスケッチを方眼紙に書く

私は2倍大サイズを作ったのでそちらの作り方を説明します。

まず1倍大模型をノギスを使ってサイズを測ります。そして、それぞれの長さを2倍にしてサイズをメモします。

そしてその歯の縦横の最大の長さを下の画像のように方眼紙で測り枠組みを書きます。

最後に5面全てに歯のスケッチをします。

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石膏棒に枠組みを書く

次は石膏棒に先ほどの方眼紙に書いた枠組みを書きます。いらない部分には斜線などひいて削る部分と削らない部分をはっきりさせておきましょう。

point➡

この時、方眼紙の上に石膏棒を合わせてみて枠組みのサイズがあっているか確認しましょう。

石膏棒を枠の大きさに合わせて切り出す

それでは先ほど斜線を引いた、不必要な部分を削っていきます。

この時切り出しナイフはグッとつかんでもらって、力いっぱい石膏棒の角から落としていきましょう。鉛筆持ちだと力は入りずらく滑ってしまうので危険です^^;

スケッチのように石膏棒に歯を書く

5面全てにスケッチを書き完成です^^

この時それぞれの面に書かれている咬頭の位置があっているようにしましょう^^;

 

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下の画像のように紫、緑、黄、青色の線のように線を引いて直角に合うところに咬頭を書くと分かりやすいですよ^^

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外形を削る

線の書いていないところを削る

まずは歯の歯頸線あたりのくびれのところはいりませんよね^^; なのでここを削ります。

唇側面を見る

最初は唇側面を見ましょう。そして削ってはいけないのが最大豊隆部!そこは削らないようにして、次は隅角徴を簡単につけていきます。

画像の歯は上顎右側犬歯┛3です。

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上から見る

次は上から見てみましょう。

上から見て、彎曲徴を付け、前歯なら舌側面をくびれさせるためにがっつり掘ります。

臼歯も彎曲徴をつけ、スケッチと同じような形になるように整えます。この時エンバスの耳かき状の先端で使って丸みを出したり、微調整すると形が整います。

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咬合面を作る

次は咬合面です。

前歯の咬合面

前歯ならエンバスの耳かきのような形のほうで、書き出すように作ります。そして小さい溝などもエンバスの両端を上手く使って作ります。

臼歯の咬合面

こちらもエンバスを巧みに使います。

まずは咬頭に印をつけ、その周りを掘っていきます。

point➡️

咬頭をてっぺんに山みたいになるように掘っていく。もちろん外形が崩れないように注意。

 

そして小窩裂溝をエンバスで掘り(刀状)、隆線を掘っていく(耳かき状)。

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耳かき状の先端の皿の面を下にして押し当て、咬頭から尾根を作るようにすると隆線ができます^^


 

<注意>

2枚目と3枚のの画像を見てください!

2枚目は失敗、3枚目は成功なのですが、しっかりと辺縁隆線を残して削るようにしないと2枚目のように固有咬合面が分からないと先生に叱られます^^;

 

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歯頸部と歯根部を作る

歯頸線はエンバスを使ってスケッチ通りに掘っていきます。

刀状の先端で線を引いてから、刀状の先端を駆使し谷を作って完成です^^

 

歯根部はあまり評価対象では無いので詳しいことは言いませんが、切り出しナイフをでえぐるようにして股を作り深くしていきます。

単根ならただ形を整えるのみです^^

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整える

最後は色んな方向から見て外形が綺麗か、咬合面が正しいかを確認し完成です!

 

さいごに

どうでしたでしょうか?

初めは難しいと感じるでしょうが、回数を重ねるごとにコツをつかんで自分なりの掘り方が見つかると思います。

 今回紹介したのは私の掘り方ですが、皆さん自分の掘り方を模索してみてください^^